年金暮らしの請求書類

社会人として長く勤め、高齢者となってそれまでコツコツと年金を納めてきた方が受給するには、基本的には日本年金機構から案内が届いて、その案内と手持ちの「年金手帳」や身分証明書を持参して手続きをします。
一口に受け取れるといっても種類があり、一般的にほとんどの方々が受給できる「老齢」。
他には社会人として働いて納税をしていた方々のご遺族が受け取る「遺族」。
身体もしくは精神・知的にハンディキャップを持っている方々が受給する「障害」などの年金の違いがあります。
それぞれのタイプによって準備する書類が違いますので、事前準備がとても大切です。

受給額はもらえる条件がそろっていても国から自動的に振り込まれるわけではありません。
もらうための手続きを自分でする必要があるのです。
このもらう手続きのことを「年金請求」といいます。
うっかりしていて、「年金請求」を忘れていた場合でも、5年分までは遡って受給することができますが、「5年を過ぎた分は請求できなくなる」ので注意しましょう。
老後の生活・暮らしはこの「年金請求」から始まるのです。

はじめて「老齢年金」をもらう人の手続きの方法についてその受給までの流れを見てみてましょう。
老齢年金を受け取れる年齢に達した方は、事前に送られてくる「年金請求書」に必要事項を記入して提出します。
ここで送られてきた書類を提出する前にご本人が確認しておくべき事項がいくつかあります。
まずは「年金記録の確認」です。
社会人として働いてきましたが、人生のいつ頃、どこの会社で、どれくらいの期間勤務していたのかが、また納めていたのかが書いてありますので、記憶や手帳を参考にして書いてある内容と一致しているのかを確認します。

記憶があいまいな部分もあるでしょうけれどこの「年金請求書」の記録に従って年金が支払われるので、出来る限り思い出し、はっきりしない部分はかつての同僚にたずねたりして、働いていた時期が明確になるように努めます。
次に「年金手帳」ですが、場合によっては同一人物が複数の年金手帳を保持している場合があります。
このような場合は複数の年金手帳を一本にまとめる手続きをします。
後日の混乱を回避するためでもあります。
また、年金手帳をなくしてしまった方は、年金請求の前になくした年金の再交付を受ける手続きをします。
手帳が無いと申請が出来ませんので事前に再交付を受けるようにします。

手続きの案内が手元に届いてからでも間に合うので、しっかりと自分でできる準備をしてから「請求」をするようにしましょう。
さらに、案内の文章には手続きのために必要な「添付書類」についても記載があるので、市の書類の準備もするようにします。
まとめますと、年金暮らしが始まる年齢になる誕生日の3か月前に「日本年金機構」から「年金請求書」が送られてきます。
この請求書に必要事項を記入します。
自分が受け取る(口座振り込み)金融機関の証明印を押してもらってください。
ほとんどの銀行や郵便局で受け取ることができますので、普段利用している金融機関の証明印で結構です。

もらえる誕生日を迎えたら、必要書類を添えて「年金請求書」を提出します。
このときに注意が必要なのは「老齢基礎年金だけを受け取れる場合はお住いの市区町村窓口」へ。
「老齢厚生年金ももらえる人と、第3号被保険者は年金事務所」へ。
「共済組合等の加入期間がある人は、年金事務所または各共済組合等」へと。
自分が受け取ることのできる年金のタイプによって「請求書」の提出窓口が違うという事です。
必要書類の中に提出場所についても書いてありますので、しっかりと確認し間違わないようにしたいものです。

提出が終わると、各関連個所から「年金証書」と「年金決定通知書」が送られてきます。
その後、金融機関の窓口か口座振り込みによって年金を受け取ることができるようになります。
年金は、偶数月の15日に2か月分の年金を受け取れます。
60~64歳で「特別支給の老齢厚生年金」をもらっていた人には、65歳になる月初めに再び「請求書」が送られてくるので、必要事項を記入して65歳到達月末日までに返送するようにします。
改めてのスタートです。

受給するご本人が準備する「必要書類」としては「年金手帳、厚生年金保険被保険者証」(配偶者がある場合には、配偶者の年金手帳または証書の写しも必要)・「戸籍謄本」(または戸籍抄本、住民票の写し)・「本人名義の金融機関通帳など」・「印鑑」です。
比較的に準備しやすいものですが、うっかりという事もあるので事前にチェックをして、出来る所から準備をするようにしましょう。
このほかにも勤務していた時の年金の支払い状態などによって準備する書類が増えたりすることもありますので、まずは「請求書」をしっかりと理解して、不明な点は年金事務所や年金相談センター、市区町村の担当窓口に相談するようにします。